佐是 恒淳2023年8月4日2 分『種痘の扉』終章終章「里山」では、架空の老爺を登場させて、その後の種痘の広がりと馬場為八郎の最期の数年間の様子を描きました。場所は秋田県由利郡亀田(秋田県由利本荘市)、時は明治26年と設定しました。 明治時代、政府の牛痘種痘の努力にもかかわらず、4 回の痘瘡大流行が発生しました。第1...
佐是 恒淳2023年7月22日1 分『種痘の扉』四章九節井伊直弼が、これまでの将軍主治医、岡櫟仙院を代えたのは、岡がはきと将軍の病状を報告しないため気に入らなかったということもありますが、岡が一橋慶喜を将軍世子に推す目付、鵜殿長鋭の聟だったことも理由でした。鵜殿を罷免した以上、聟も信じてはならないと思ったのでしょう。...
佐是 恒淳2023年7月15日3 分『種痘の扉』第四章八節八節「江戸城本丸御用部屋」は、日米修好通商条約の締結問題と将軍継嗣問題で揺れる安政五年の江戸城が舞台です。条約締結に天皇から勅許を得られなかった堀田正睦の失態を受けて、井伊直弼が大老に就任し強烈な個性で幕政を引っ張っていきます。...
佐是 恒淳2023年7月8日2 分『種痘の扉』第四章七節七節「神田お玉ヶ池」は、ようやく半世紀遅れで牛痘苗を入手した日本蘭医学界が懸命に牛痘種痘を広める物語です。長崎から分苗を受けて、早速、大坂、京都で除痘館が設立され、接種と牛痘苗継代が整然と始まります。緒方洪庵、日野鼎斎らの名前は忘れてはなりません。関西は、豪商の旦那方が、公...